へりくつ剣道参考書

剣道家ブロガーのつぶやきです。大人から剣道を始めた自分だからこそ伝えられる内容を書いています。剣道に関するあれこれを、自分なりの解釈を交えながら綴ってまいります。

自分の上達のためには、人に教えることにも意味がある

みなさんこんにちは。

akikotapapaです。

 

いきなりですが、剣道を誰かに指導したことはあるでしょうか?

 

人に教えるという事は、非常に難しいことです。

 

しかし、人に教えるという事は、自分の上達にも深く関わることです。

 

そこで今回は、人に剣道を教えるということについてお話ししようと思います。

 

 

■感覚を理屈にする

まず、人に物事を教えるという事は、できるだけ相手が理解しやすいように言葉や文字にすることが求められます。

 

もし、こんな説明をされたらどうでしょうか?

「相手がドーンときたら、パッとすり上げてバチーンとしっかり打ちきりなさい。」

 

その場で動きながら教えてもらえば、「あーなるほど」と思うかもしれませんが、ちょっと時間が経つとだんだんと分からなくなってしまうでしょう。

 

これは、結局は正しく理解できていない状態と言えます。

 

このように擬音語や擬態語を多く使った言葉では、その真意まではなかなか伝わりにくいです。

 

相手に真意を伝えるためには、何をどうしたら良いのか、何が良くて何が良くないのかを、主語・述語・動詞を駆使して明確な言葉にする必要があります。

 

実は、この「頭で感覚としてイメージしていることを明確な言葉にする」ということが自分にもプラスになってきます。

 

頭の中の感覚的なイメージを言葉にするという事は、自分の頭の中の感覚を理屈で整理することになるのです。

 

言い換えれば、感覚と理屈をセットにして理解するという事になります。

 

感覚と理屈をセットで理解することができれば、例えばある日うまくできなくなってしまった時、戻るところが明確なので修正しやすいのです。

 

不調の間というのは、新たなステップには中々進めない期間ですが、その期間をできるだけ短くすることが出来ます。

 

また、その不調になった原因というのは、大抵の場合は自分の癖によるものが多いです。

 

そうなれば、自分の悪い癖もみつけることができるため一石二鳥です。

 

 

■書くことも頭の整理に繋がる

実は、このブログでも同じことが言えます。

 

ブログで人に説明するように書いていますが、自分の頭を整理するために書いている側面もあります。

 

自分なりに頭で感覚と理屈を整理することができれば、自然と自分の稽古の質も変わってきます。

 

こちらの記事でも書いたように、今日の稽古では何を練習しようか、と考えることが出来るようになるのです。

www.akikotapapa.com

 

 

 

■人から教わるときも同じ

人に教えるのとは逆に、人から教わるときも同じことが言えます。

 

もし教えてもらったことが理屈重視だったとしたら、それに自分なりの感覚を付け加えて整理すれば、感覚と理屈をセットで整理することができます。

 

逆に教えてもらったことが感覚重視だったとしたら、それに自分なりの理屈を付け加えて整理するのです。

 

また、教えてもらう時の言葉は、文字として理解するだけでなく、その人が本来言いたい意味を理解することが必要になります。

 

本来の意味を理解できれば、そこから発展して新たな気づきにも繋がってきます。

 

そうすることで、一教えられて十を知るということにも繋がり、結果的に上達が早まるのです。

 

 

■感覚は体で覚えること、理屈は頭で理解するもの

感覚というのは、身体を使って覚えることです。

 

理屈と言うのは、頭で理解をすることです。

 

大人と子供を比較すると、習得するまでのプロセスが異なります。

 

子供のうちというのは、頭で理屈で考えるよりも身体で覚えながら修正を重ねていく方が早く習得できます。

 

一方大人は、理屈抜きで身体で覚えるというのは難しいため、理屈で考えつつそれを体に反映しながら修正を重ねていく方が早く上達するでしょう。

 

なので、大人が子供に教えるという場面においては、理屈で教えるのではなく、正しい感覚が身体に染み込むように手伝うというのが合っているのだと考えています。

 

その一例が、打ち込み稽古や掛かり稽古になるのではないでしょうか。

 

もし、大人初心者が掛かり稽古ばかりやっていたとしたら、正直言ってあまり上達は見込めないと思います。

 

身体で覚えることも大切ですが、その前に理屈をしっかりと理解し、地稽古の中の一本一本に集中する方が効果的だと思います。

 

そのうえで、力を抜くために掛かり稽古をするのが理想的な大人の稽古であると考えています。

 

 

■保護者は子供に教えられるか?

大人が子供に教えると言えば、剣道をしていない保護者は子供に教えることができるのか?という疑問が出てきます。

 

私なりの結論を言えば、剣道をしていない保護者が子供に教えるのは難しいと思っています。

 

なぜなら、剣道をしていなければ、剣道の感覚を持ち合わせていません。

 

感覚がなければ、理屈だけで教えることになりますが、理屈だけで子供に説明しても、子供には理解してもらえません。

 

それどころか「だったらやって見せて」とか「やったことないくせに余計なこと言わないで」と子供に反発されていまいかねません。

 

しかし、これは無理もないと思います。

 

自分が子供の立場だとしたら、たとえ親が親切心で言っていたとしても、話を素直に聞けないと思います。

 

そうなれば、剣道をしていない保護者が子供に教えるためにはインターネット等で仕入れた情報を共有する程度がちょうど良いのかもしれません。

 

 

■まとめ

いかがでしたでしょうか。

 

今回は、人に教えるということの効果についてお話ししました。

 

おさらい

・人に教えると自分も上達する

・感覚と理屈をセットで覚える

・理屈と感覚がセットになっていれば、不調の時も修正しやすい

・子供と大人では習得までのプロセスが異なる

 

是非剣道をやっている方は、人に理解してもらえるような理屈を自分なりに考え、自分の上達に繋げられるよう工夫してみてはいかがでしょうか。

 

また、できることなら子供と一緒になって保護者も剣道をやったほうが、子供の上達に繋がりますし、ご自身の健康増進にも役立ちます。

 

さらに、親子でやるというのは継続の力にもなりますので、「剣道をやったことが無いが子供がやっている」という方は、これを機に剣道を始めてみてはいかがでしょうか。