へりくつ剣道参考書

剣道家ブロガーのつぶやきです。大人から剣道を始めた自分だからこそ伝えられる内容を書いています。剣道に関するあれこれを、自分なりの解釈を交えながら綴ってまいります。

構えから身体を前に押し出す動作のコツとは ~ひかがみを伸ばした構えから前に出る方法~

みなさんこんにちは。

akikotapapaです。

 

以前、継ぎ足をしない打突の足さばきについて記事を書いたことがあります。

www.akikotapapa.com

 

この記事では、構えた状態のまま右足を浮かせることで、身体が勝手に前に倒れることを利用して動き出すというお話をしています。

 

この動作を、より楽に前に出ることが可能になる”ある要素”があります。

 

そこで今回は、身体を前に押し出す動作のコツについてお話ししていこうと思います。

 

 

■人間の動き出しはかかとから

まず、人間が歩き出すときの基本的な部分に一度立ち返ってみます。

 

身体の重心が前にも後ろにも偏らせずに真っ直ぐ立った状態から、前に歩き出すことを考えてみると、人が歩き出すときは、かかとで地面を押します。

 

逆の言い方をすると、すねの筋肉を使って足のつま先側を上に上げるような動作です。

 

こうすることで、身体は自然と前に出ます。

 

逆に、直立状態からつま先立ちになると、身体は後ろに出て行きます。

 

理屈は簡単で、地面と接している点よりも重心位置が前に行けば前に倒れ、地面と接している点よりも重心位置が後ろに行けば後ろに倒れるということです。

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もし、つま先立ちになっても、身体が前にも後ろにも倒れない場合は、地面との接点が前に移動するのと同時に、重心位置も前に移動しているということです。

 

また、つま先立ちになると前に身体が倒れるという場合は、地面との接点が前に移動した量以上に、重心位置が前に移動しているということになります。

 

 

■剣道の構えはかかとをつかない

ここで、剣道の構えに頭を切り替えましょう。

 

剣道の構えというのは、かかとは基本的に地面(床)には接していません。

 

一般的は中段の構えで考えますが、左足のかかとは数cm程度上げ、右足のかかとは半紙1枚分上げます。

 

半紙1枚分というのは、実質の数字というよりも、かかとの皮膚と床が接するか接しないかの状態という意味で考えると良いと思います。

 

こう考えたとき、かかとで動き出すと言うことはどういうことだ?という疑問が生まれます。

 

ここで、コツの登場になります。

 

 

■足首の背屈運動

剣道の構えが安定している状態というのは、重心位置が右足と左足の中間にある状態です。

 

この状態から身体を前に出すことを考えるとき、最初にお話しした「かかとから動き出す」という原理を応用する事になります。

 

身体を前に動かすためには、重心位置よりも地面との接点を後ろにやれば自然と身体は前に動き出します。

 

この原理を利用したやり方が、右足を浮かせると言う方法ですが、これはまだ冒頭にお話しした記事のおさらいでしかありません。

 

ここに要素をひとつ追加します。

 

それが「左足の足首を背屈させる」という方法です。

 

足首の背屈というのは、すねの筋肉を使って足のつま先側を上方向に上げる動かし方です。

 

ただしこれは、左足が地面と強く接している点を少し後ろに動かすことが目的なので、完全にかかとを地面に着ける訳ではありません。

 

左足のかかとと床の距離を半分にするイメージです。

 

左足ののかかとと床の距離を半分にすることで、地面と強く接している点がかかと側に寄ります。

 

そうすると、地面との接点は後ろに動き、重心位置と地面との接点の距離が大きくなり、身体の倒れ方が大きくなるのです。

 

 

■動き出しはふくらはぎではない

前述したように、動き出すときは地面との接点をかかと側に近づけます。

 

これを考えてみると、普段ふくらはぎを強く使って前に出ている人にとっては、全く逆の動きになると思います。

 

つまり、身体を前に送り出すと言うことは、ふくらはぎを使って前に動くのではないのです。

 

ふくらはぎの筋肉を使ってつま先に力を入れてしまうと、左足の地面との接点位置は重心に近づくことになり、逆に身体は前に動きにくくなってしまいます。

 

では、なぜ今まで素早く動けていたのかと言うと、ひかがみ(膝の裏側)を曲げた状態から地面を蹴っていることが考えられます。

 

剣道の正しい構えというのは、ひかがみは基本的に曲げないことになっています。

 

しかし、ふくらはぎの力を使って跳ぼうとすると、ひかがみを曲げた状態から伸ばす力を利用する必要があります。

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いわゆるジャンプ状態です。

 

こうすれば、足はばねのような作用を果たし、力強く前方に飛ぶことができますが、これは若いうちしかできない力技と言わざるを得ないでしょう。

 

もし、70歳を超えた年配の方がこのような動きをしようものなら、一瞬でひざを怪我するでしょう。

 

武道や武術というものは、筋力のいらない方法を研究し極めることで、若さに負けない早さが手に入るのではないかと考えています。

 

 

■跳ね足の矯正にもなる

ちなみに、この方法を実践することで、跳ね足の矯正にも繋がると考えています。

 

なぜなら、そもそも跳ね足の原因はふくらはぎを使って前方に飛ぶ動作の影響が強いです。

 

しかし、この動作はふくらはぎで跳ぶ動作ではないため、足が跳ね上がる理由がありません。

 

跳ね上がらないことを意識して直すのではなく、そもそも跳ね上がらないような動き方となるのです。

 

 

■まとめ

いかがでしたでしょうか。

 

今回は、身体を前に押し出す動作のコツについてお話ししました。

 

今回お話ししたような内容は、武道というよりは武術に近い内容かも知れません。

 

武道は心を修練するためのものだから、武術は関係ないということではありません。

 

相手のいるものですから、相手に動作の起こりを悟らせないようにするために、武術の要素を存分に取り入れて相手と対峙することも重要だと思います。

 

試合に勝つことが全てではありませんが、物事を考え研究するということも人間形成のひとつだと思っています。

 

是非、素振りのときでもこの動きを試してみてください。

 

自分でも驚くくらい身体が前に出ると思います。 

 

 上達のヒントになれば幸いです。