みなさんこんにちは。
akikotapapaです。
こんな言葉を聞いたことはないでしょうか?
「一眼二足三丹四力」
この言葉は、剣道で大切なものを一から四まで順番をつけて示しており、一が最も大切な要素です。
今回は、この一から四をそれぞれ分解して読み解いていきたいと思います。
■1番目「眼」
まず一番大事なのは「眼」です。
しかし、相手の動きに瞬時に反応できるように、相手を良く見て反応せよ、という意味とは少し違います。
ただ相手を見て、相手の身体や竹刀が動いたとか、前に出てきた、下がったということを見るような、動体視力を指している訳ではないのです。
これは、相手の心まで見抜けるような眼や洞察力を身につけなさい、という教えなのです。
■2番目「足」
2番目は「足」です。
剣道は足さばきがしっかり出来なければ、剣道そのものが崩れてしまいます。
腕だけで竹刀を振っても、その打突に威力は生まれません。
足をよく使い、打突と同時に強く踏み込むことが大切です。
さらに、相手を攻めたり、中心を取り合ったりという時でも、足を中心に動く必要があるのです。
■3番眼「胆」
3番目は「胆」すなわち「胆力」です。
胆力とは、言い換えれば度胸のことと言えば分かりやすいと思います。
相手と向かい合って打つか打たれるかという状況において、「相手に打たれるのではないか」と怖がってはいけません。
相手を怖がってしまえば、自分が打てないだけでなく、相手の「眼」によって恐怖心を見抜かれ、心の隙をつかれて打たれてしまいます。
しっかりと強い気持ちを持って、相手を攻め崩すことが大切です。
■4番目「力」
最後は「力」です。
力といっても、腕力や脚力といったような筋力という意味ではありません。
当然ながら、相手と勝負をするときには、竹刀さばきや技をもって相手を圧倒することが必要になってきます。
力というのは、技術であったり、技のことを指しています。
■技術面の重要度は一番下?
この順番、何か気になったことはないでしょうか?
技より度胸が大事、度胸よりも足が大事、足よりも洞察力が大事と言うことになります。
まさかの「技」が4番目にあるのです。
相手との勝負に勝とうと思ったら、技は大事ですよね?
しかし、その技というのは剣道ではあまり重要ではないのです。
何が言いたいかと言うと、技術はたしかに大事なのですが、技術以上に
①洞察力で相手の心を察し
②下半身でしっかりと身体を支え
③怯まない強い気持ちを持つことが重要
という意味が込められているのです。
■勝負の決め手
では、試合で勝つとき、逆に負けてしまうときを考えてみましょう。
相手と自分の間に圧倒的な技量の差があれば、技術で負けるということはありますが、今回はそれとはちょっと違う話なので除外します。
試合で勝つときというのは、気持ちが充実して、相手の様子が良く見えている状態で、相手に引けを取らずに戦えているときです。
たまたま良いタイミングで当たったから勝てた、ということもあると思います。
しかし、相手の居つきや心の迷いを見て、強い気持ちで相手を攻めて捨て身で技を放ったからこそ、相手のほんの一瞬の隙をついて打突ができるのです。
反対に負けてしまうときと言うのは、勝つときの逆の状態と言えます。
相手が怖くて相手の気持ちがわからなかったり、どうしようという迷いの気持ちから、相手より一瞬だけ出遅れてしまいます。
その一瞬の遅れによって、相面で打ち負けたり、打とうとして手元が上がった瞬間に小手を打たれたりするのです。
どうでしょう、勝ち負けの理由に「技」が出てこないですね。
逆に、「相手の様子や居つき」が見えているかいないかによって、勝負が決まると言っても過言ではないことが分かると思います。
■まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、「一眼二足三丹四力」という言葉の意味についてお話ししました。
剣道は技量ではなく、相手の様子をどこまで観察できるかによって勝敗が分かれてきます。
打つか打たれるかの状況で相手を観察するというのは、簡単なことではありません。
日ごろの稽古の中で、相手をよく観察し、居つかないようにいつでも打てる状態の足を作り、相手に怯まない心を養うことが大切です。
そうすることで、徐々に剣道のレベルが上がり自信がついてきて技として生まれてきます。
技は出すものではなく、自然と出るものと考えて、地力を上げられるように頑張りましょう。