へりくつ剣道参考書

剣道家ブロガーのつぶやきです。大人から剣道を始めた自分だからこそ伝えられる内容を書いています。剣道に関するあれこれを、自分なりの解釈を交えながら綴ってまいります。

素振りをしていて思ったこと ~素振りの種類を使い分けるということ~

みなさんこんにちは。

akikotapapaです。

 

相変わらず、新型コロナウィルス(COVID-19)の影響で稽古ができない日が続いております。

 

この影響により、素振りをする機会が多くなりました。

 

一般的に素振りと言えば、前後素振りだと思いますが、前後素振りをしていて感じた事がありました。

 

そこで今回は、素振りをしていて思ったことについてお話ししていこうと思います。

 

 

■前後素振りとは

まず、話の詳細に入る前に、ここで言う前後素振りという言葉の定義を合わせておきます。

 

前後素振りとは、前後に一歩ずつ足を動かしながら、足の動きに合わせて大きく振る素振りです。

 

大きくと言っても、振りかぶった竹刀の角度は地面と水平程度であり、大きく上下素振りのように剣先が下を向くほど大きくは振りかぶりません。

 

そして、一本振ったあとは、振り切った状態からまた振り上げて次の一本を振るという流れです。

 

この記事で使う前後素振りという言葉は、このような素振りのことだと捉えてください。

 

 

■前後素振りは振り下ろし重視

前後素振りというのは、一本振ったあとは、振り切った状態からまた振り上げて次の一本を振る素振りです。

 

つまり、両腕をほぼ伸ばした状態から竹刀を振り上げることになります。

 

果たして、両腕を伸ばして状態から大きく振りかぶることはあるでしょうか?

 

あくまで私の経験に基づく感覚ですが、腕を伸ばした状態からの振りかぶりは滅多にないと思います。

 

そうなると、少なくとも前後素振りでは振り上げ動作は特殊な動きと言えるでしょう。

 

要するに、前後素振りは振り下ろしと打突の冴えに特化した素振りとなるのだと考えています。

 

 

■構えた状態から一拍子で振る素振り

では、前後素振りではなく、構えた状態から一拍子で振る素振りはどうでしょうか。

 

前後素振りは両腕を伸ばしきった状態から竹刀を振り上げるのに対し、構えた状態から一拍子で振る素振りは、一度振り切る度に構えた状態から振りかぶります。

 

さらに、振りかぶったらそこで止めずに、振り上げから振り下ろしまで一拍子で行います。

 

この素振りでの動きは、実際の打突に近い動きとなるのではないでしょうか。

 

構えた状態で相手と攻め合い、打突の機会を捉えて一気に打つのも、この素振りと同じような動きになるはずです。

 

打突と唯一違うのは、足がすり足か踏み込むかの違いくらいだと思います。

 

 

■目的によって素振りの種類を使い分ける

上述したように、前後素振りは振り下ろしと冴えに特化した素振りであり、構えからの素振りは振り上げから振り下ろしまで含めた素振りとなります。

 

これは、素振りによって何を強化したいのかによって、やるべき素振りが異なるということを意味すると考えています。

 

前後素振り

まず、前後素振りでは振り上げ方の練習にはあまり向いていないと思います。

 

どちらかと言えば、振り下ろしと冴えの練習、さらには打突後の脱力までを含めた素振りと言えるでしょう。

 

振り下ろしを素早く左手主導で行い、剣先を走らせることを意識して行うことで振り下ろしの早さや冴えを強化できます。

 

さらに、振り切った後に脱力することで、両腕は伸ばした状態のままでも力を抜くという練習ができます。

 

この練習をすることで、例えば相手の面を打った後に竹刀が自然と跳ね上がるような、冴えがありかつ柔らかい打突が可能になると考えています。

 

打突した後に力が入りっぱなしだと、打突の冴えが弱くなってしまうため、打突後の脱力というのは、冴えにも関わってくるのです。

 

構えた状態からの一拍子の素振り

前後素振りに対して、構えた状態からの一拍子の素振りは、構えた状態から一気に相手を打突する動きの練習となります。

 

この練習は、打突の起こりを消すような目的で有効でしょう。

 

前後素振りよりも、振り上げ動作や足から動くといった内容の練習に向いていると思います。

 

しかし、前後素振りのような打突後の脱力という面においては、前後素振りよりは練習に向いていないように思います。

 

なぜなら、一度打つたびに構える状態に戻すため、脱力がしやすいです。

 

本来なら、打突した姿勢のまま脱力したいものですが、この素振りでは一本一本振るたびにリセットすることになってしまいます。

 

要約すると・・・

要約すると、前後素振りは振り下ろしから打突後の練習に向いており、構えた状態からの一拍子の素振りは打突前から打突の瞬間までの練習に向いているのだと思います。

 

 

■まとめ

いかがでしたでしょうか。

 

今回は、素振りをしていて思ったことについてお話ししました。

 

素振りには、いろいろな種類があります。

 

そして、それぞれの素振りによってもたらされる効果はそれぞれ微妙に異なります。

 

このようなことを意識しながら素振りをすることで、一本一本の素振りの重みが変わってくるように思います。

 

皆さんも、せっかく素振りをするのであれば、このようなことを意識しながら、自分が強化したい内容は何か、それに適した素振りはどのような素振りなのかを考えながら、素振りを実践してみてはいかがでしょうか。

 

この工夫をすることで、稽古ができない期間でも実力を向上することは可能だと思います。

 

道場閉鎖や稽古ができない期間に負けることなく、自分を信じて一人稽古を頑張りましょう。