みなさんこんにちは。
akikotapapaです。
基本稽古の中で、ほとんどの方が「小手-面」という技を練習したことがあると思います。
木刀による基本技稽古法でも、二・三段の技として出てきます。
しかし、この小手-面という技、何かおかしいと思いませんか?
そこで今回は、「小手-面」などの二段技について考えていこうと思います。
■剣道に「小手-面」という技は無い
小手-面というと、小手が打ちたいの?面が打ちたいの?と思う方はいるでしょうか?
考えたことのある方はあまりいないかも知れませんが、全身全霊を込めた捨て身の一本の打突が求められる剣道で、2回打つというのはどうにも違和感があります。
小手が打てたなら小手で一本を決めるでしょうし、面を打ちたいなら最初から面を打つべきです。
しかし、稽古では小手も面も両方しっかりと打つように教わります。
実は、この「小手-面」という基本技は、小手も面も両方打つ!ということを目的にした稽古では無いのです。
どういうことかと言うと、小手を打とうとしたが避けられた、もしくはうまく打突部位を捉えることが出来なかった場合に、間髪入れずにもう一本面を打つということが本来の目的です。
なので、まずは一本を取れるように小手を打ち、その小手打ちが結果的に十分でなかった場合に面を打って一本を取れるようにするという練習になります。
ちなみに、小手の後に面ではなく胴を打つ「小手-胴」という二段技もあります。
■小手はしっかり打つ
小手-面の練習の際、小手打ちを弱く打ってしまうと、この練習の意味がなくなってしまいます。
「え、結局面で一本取れれば良いんじゃないの?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません。
というのも、まずは相手の小手を打って一本を取ろうとするのです。
一本を取ろうと思うと、全力で打ちますよね?
しかし、その全力の小手打ちが何らかの理由で外れてしまった場合にどうするか?を考えてみてください。
そこで打突動作や勢いが終わって動きが止まってしまっては、相手に打たれておしまいです。
仮に小手打ちが外れてしまっても、すぐに打てる状態を作っておくということが重要になります。
なので、小手を打った後に面を打つ練習をするわけです。
■打突した後に体勢を崩さない
一本目の小手を打ったものの、外れてしまった場合に体勢が崩れてしまっては、次の面は打てません。
小手-面という技は、この打った後の体勢を崩さないようにするための練習と言っても過言ではありません。
小手を打った後に体勢が崩れ、その崩れた体勢から面を打っても、正しい姿勢での打突はできないため、一本にはならない打突となってしまいます。
小手打ちが外れた場合にも面を打って一本にできるようにするための練習なので、これでは意味がありません。
一本目の打突が外れた後でも体勢が崩れていなければ、あとは基本の面打ちをするだけで一本にできます。
大切なのは、小手の後に無理やり面を打つことではなく、技が外れた後でもすぐに一本になる打突を打てる状態にすることなのです。
■左足の引きつけを素早く
では、小手を打った後に体勢を崩さずに面を打てるようにするには、どうしたら良いのでしょうか。
それは、左足のひきつけを早くすることです。
左足の引きつけに関しては、こちらの記事で記載していますので、こちらを参照頂ければと思います。
何の技でもそうですが、打った後に左足が後ろに残ったままになってしまうと、体は不安定な状態になってしまいます。
面を打つ時には、基本通りに左足で身体を押し出す必要がありますが、足が後ろにある状態では、当然ながら左足で身体を前に押し出すことはできません。
逆に言うと、左足がしっかり引き付けられていれば、あとは基本通りの面打ちをするだけとなります。
面打ちはこちらの記事を参照頂ければと思います。
■まとめ
いかがでしたでしょうか。
小手-面という基本稽古は、一本目の打突が外れてしまった場合に、すかさず二本目を打って有効打突にできるようにするための稽古、というお話をしました。
おさらい
・小手-面という技は無い
・一本目が外れても、体勢を崩さずに二本目を打つための稽古
・左足の引きつけを素早くする
剣道では、打突部位に当たっただけではなく、しっかりと気持ちを入れて、正しい姿勢で打突しなければ一本になりません。
そのためには、打突するとき、打突した後、続けざまに二本目を打ちたい時、いかなる時も体勢を崩さずにいつでも打てる体勢を整えておく必要があります。
そこで重要になってくるのが「小手-面」や「小手-胴」というような二段技になりますので、この内容を意識しながら稽古に励んで頂ければと思います。
後述
そんなやり方や考え方は間違っている!という方もいらっしゃるかもしれませんが、自分はまだまだ修行中の身です。
あくまでひとつの意見・見解として捉えていただけると幸いです。