へりくつ剣道参考書

剣道家ブロガーのつぶやきです。大人から剣道を始めた自分だからこそ伝えられる内容を書いています。剣道に関するあれこれを、自分なりの解釈を交えながら綴ってまいります。

「剣道」という選択で、理不尽な社会から子どもの人生を守る--礼儀や精神論では語れない、本当の価値

皆さんこんにちは。

akikotapapaです。

 

よく、剣道をやると「礼儀作法が学べる」とか、「精神力を鍛えられる」と言われます。

でも、それだけなら、本当に剣道である必要はあるのでしょうか。

私は、剣道は人生を生き抜くための本質が学べるものだと思っています。

 

そこで今回は、剣道で学べる事についてお話ししていこうと思います。

 

■剣道は「礼儀」や「精神力」を学ぶ習い事ではない

剣道の本質は、礼儀でも、根性論でもないと思っています。

私は、剣道というものをこう捉えています。

「人生の正念場全てに対応できる力を、身体と思考の両方で鍛えること」

 

■剣道を修行する中で気づいたこと

私は、社会に出てから剣道を始めました。

だからこそ、剣道の稽古の一つ一つが、そのまま社会そのものに見えるようになりました。

きっと、小学生や中学生のときから剣道をやっていたら、このような思考には至らなかったと思います。

仕事、人間関係、組織、理不尽、逆境。

それらをどう乗り越えるかではなく、どうやり過ごし、どう自分の力に変えるか。

その答えが、剣道の中に詰まっていました。

 

■剣道が鍛える、本当の力

私は、剣道では下記のことが鍛えられると考えています。

①状況判断力

相手の動き、間合い、気配を一瞬で読む。

これは、単なる反射神経ではありません。

社会で言えば、膨大な情報の中から「今、何が重要か」を見抜く力です。

 

②状況構築力

剣道は、待っているだけでは何も起きません。

むしろ、待っているだけだと確実に打たれて負けます。

自分から間合いを詰めて、流れを作り出す。

つまり、環境のせいにせず、自分で展開を作る力を学ぶことができます。

 

③恐怖心を抱えたまま踏み出す力

打つ瞬間、必ず「打たれるかもしれない」恐怖があります。

それでも打って出る。

これは社会で言えば、失敗を恐れながらも挑戦する力そのものだと言えるでしょう。

 

④戦略的思考

時には偶然取れる一本もあるでしょう。

しかし、それだけでは勝ち続けることは不可能です。

勝ち続けるためには、数手先を読み、相手の反応を想定し続ける。

これはそのまま、仕事や交渉での先読み力につながります。

 

⑤自己責任と結果の受容

勝っても負けても、理由はすべて自分にあります。

恐怖を感じながら、勝てる状況を自ら作り出して機会を捉えることができれば勝てる。

逆に、恐怖心に負けて惑ったところに隙が生まれ、負ける。

言い訳は通用しません。

これは、自分の人生を他人のせいにしない力であると言えます。

 

■人生のなかで、必ずくるもの

ある程度の社会経験を積んだ人なら、誰でもわかっているはずです。

人生では必ず、

 ・理不尽な目に遭い

 ・思い通りにならず

 ・正論が通らず

 ・努力が報われず

 ・誰かに踏まれそうになる

そんな場面に直面します。

そんなとき、

 「正面から立ち向かえ」

 「負けるな」

 「我慢しろ」

それだけで乗り越えられるでしょうか。

少なくとも、私はそれで乗り越えようとした結果、身体を壊しました。

だからこそ、自分の子どもや家族には同じ道を歩ませたくないと思っています。

 

■剣道は「戦い方」を教えない

剣道は、ただ強くなるための武道ではありません。

剣道の稽古で無意識に学んでいるのは、

 ・相手の出方を見る

 ・無駄にぶつからない

 ・力の向きを感じ取る

 ・危ないところには踏み込まない

 ・でも、主導権は手放さない

という、人生を消耗せずに生きるための感覚です。

 

■「攻め」とは、ぶつかることではない

剣道をやっていて、私は「攻め=相手を崩して突破すること」だと思っていました。

しかし、稽古と研究を重ねる中で、ある時考えが変わりました。

本当の攻めとは、相手のやりたいことに調和し、ぶつかるところを無くし、相手の力や技を、自分のものとして取り込むことだと、今は考えています。

これは、

 ・調和

 ・協力

 ・協調

でありながら、誰にも気づかれず、結果だけを自分の思い通りにする力であると考えるようになりました。

剣道はそれを、卑怯ではない形で、身体に叩き込んできます。

 

■すこし「ずるい力」かもしれない

正直に言います。

剣道で身につくこの感覚は、

ある意味「ずるい」と思われるかもしれません。

 ・争わない

 ・でも負けない

 ・相手は気持ちよく動いている

 ・なのに結果は、こちらの思い通り

社会や人間関係は、実はこの構造で動いています。

声の大きい人が勝つわけでも、正しい人が報われるわけでもありません。

静かに流れを作れる人が、最後に立っている。

剣道は、それを子どもに身体感覚として教えてしまう、数少ない習い事です。

 

■少年剣士に思うこと

少年剣士を見ると、私はこう思います

 君たちの人生には、必ず苦しい局面が来る。

 でも、正面からぶつかって壊れなくていい。

 その苦しさを、うまくやり過ごし、

 自分の力に変えられる人間になってほしい。

剣道は、「我慢する力」を教えるのではなく、消耗しない生き方を教えてくれます。

 

■親として、子どもに身につけてほしいこと

私も人の親です。

私が子どもに見せたいのは、こういう姿です。

 逆境に立たされた時、

 「まぁ、そんなこともある」と微笑み、

 苦しみに抗わず、

 逆境を追い風に変えながら、

 静かに事態を好転させていく大人。

剣道は、そんな人間になるための稽古だと思っています。

 

■剣道は、人生を楽で豊かにする習い事

剣道は、厳しいです。

痛いし、苦しいし、すぐに結果も出ない。

その代わり、一生折れない視点と立ち方が手に入ります。

 ・子どもに無駄な衝突をさせたくない

 ・社会で静かに強く生きてほしい

 ・苦しさを力に変えられる人間になってほしい

そう願うなら、剣道は、これ以上ない習い事だと私は思います。

 

■最後に

当然ながら、私が書いたような力は、剣道でなければ絶対に身につかない、というものではないと思います。

ほかの習い事や経験の中でも学ぶことはできると思います。

ただ、剣道はそれらを

「偶然」ではなく

「構造」として

「身体感覚」として

繰り返し体験させてくれる、非常に珍しい環境だと感じています。

この内容が、すべての人の正解だとは思いません。

ただ、剣道というものを通して

「無駄に傷つかずに生きる力」

を育てられるという視点があることを、どこかに感じてもらえたら嬉しいです。