みなさんこんにちは。
akikotapapaです。
私が普段通っている道場では時々、笛の合図に合わせて相面を打つという稽古があります。
道場によっては、合図が笛ではなく太鼓という道場もあるかもしれません。
この稽古では、お互いに同時に面を打つことで、相手に打ち負けない練習ができたり、いつでも打てる足を作っておく練習ができるという効果がありますが、注意しなければいけないポイントもあると考えています。
そこで今回は、合図に合わせて相面を打つという稽古における、要注意ポイントについてお話ししていこうと思います。
■合図を待たない
まず、この稽古では音の合図に合わせて、両者が同時に面を打つ稽古になります。
音に合わせて相面を打つということは、音を聞いてから面を打ち出すことになります。
しかし、実際の試合や稽古の中で、打つタイミングを教えてくれる合図はありません。
打つタイミングというのは、自分で作り出していかなければいけないものという事を理解したうえで、この稽古に取り組む必要があります。
■音を聞くと注意が逸れてしまう
上述したように、この稽古は、聞こえる音に合わせて打突する稽古になります。
ということは、打突前の観察対象が、相手ではなく笛もしくは太鼓の音となってしまうことになります。
実際、自分がこの稽古に参加しているときには、頑張って相手の動きに集中して相面をしようと思うのですが、どうしても合図の音が聞こえてしまうと、まったくと言って良いほど相手の動きが見えなくなってしまいます。
中には、合図を出す先生の動きを横目で見てタイミングを計っている人もいます。
これでは、何のための稽古をしているのか、目的がぼやけてしまいかねません。
■そもそも相面とは
そもそも相面とは、どのような状況なのでしょうか。
相面というのは、両者同時に面を打つ状態ですが、これは偶然同時になったと言うわけではないと考えています。
初心者のうちであれば、両者が偶然同時に面を打つということもあるかもしれませんが、ある程度のレベルになってくると、偶然同時に面を打つということはあまり無いのではないでしょうか。
なぜなら、始めて間もない頃は、相手の動きを見て打突の出現を判断し、その後に自分の打突動作を開始します。
そかし、それでは相手の打突に間に合わせて同時に打つことはできないでしょう。
これとは逆に、ある程度のレベルになってくると、相手の打突の出現を事前に捉え、相手の技の起こりや出ばなを捉えるようなタイミングで打突することが出来るようになります。
そう考えてみると、相面というのは、大抵の場合はどちらかが出ばな面を狙っていると考えるのが妥当と言えるのではないでしょうか。
そうなれば、相面の稽古は音に合わせるという手段で同時を作り出すのではなく、両者の攻め合いの中から出現する面打ちに対し、その相手が出ばなを狙う面を打つというのが本来の相面なのではないかと考えています。
■発展させた稽古
例えば相面の稽古をする際、打突のタイミングを音に合わせるのではなく、向かい合っている二者間でタイミングを合わせる方法があります。
両者をAとBとした場合、お互いに中心を取り合い、いまだと思ったときに面を打ち出すのです。
この時、先に打ち出すのはAでもBでも構いません。
そして、相手の打突の意思を感じたら、それに応えるようにもう片方の人も打つという流れです。
これは、片方だけが初心者だったり、小学3年生vs中学3年生のように年齢差がありすぎると成立しませんが、同じくらいの年齢同士や大人同士であれば、かなりの効果が期待できると思います。
■指導者側の注意点
また、稽古に参加する立場だけでなく、指導者側の立場でも注意するべきポイントがあると考えています。
剣道では、相手の心に働きかけたり、相手の動きを観察して打突のタイミングを計ることが求められます。
しかし、自分と相手との間には全く関係の無い「第三の音」に合わせて打突をするという事は、上記のように打突のタイミングを計るということを無視した打突になってしまう可能性があります。
剣道の指導をする側の観点で考えてみると、このような状態にならないように十分に注意する必要があると考えています。
■まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、合図に合わせて相面を打つという稽古における、要注意ポイントについてお話ししました。
相面というのは、上達には非常に有効な稽古だと思います。
しかし、目的をしっかりと理解していなかったり、意識が低い状態で稽古してしまうと、稽古の効果が極端に下がってしまう可能性があります。
相面の稽古をより意味のある稽古にできるよう、これらの内容を考えながら稽古に励めるよう努力していきましょう。