みなさんこんにちは。
akikotapapaです。
剣道をやっていて、日常の動き方とは全然違うな、と感じたことのある方はいないでしょうか?
剣道に限らず武道全般に言えることだと思うのですが、武道というのは身体を筋肉で動かすような加速運動ではなく、力を抜いて動かす等速運動が求められます。
例えば、バスケやサッカーでフェイントの動きをするとき、瞬間的に全身の筋力を使って左右に素早く動くと思います。
しかし、剣道のような武道では、動きの物理的な速さより、いかに動き出しを相手に悟らせないかということを重視します。
私は、このような動き方のことを「武道的な身体の使い方」と呼んでいます。
今回は、この「武道的な身体の使い方」を習得するために、私が日常生活の中で意識していることをお話ししようかと思います。
(ちょっとマニアックな内容かもしれませんが)
■足の使い方
以前、このような記事を書いたことがあります。
武道では、速さではなく相手に動きを悟られないことが肝心です。
足を継いでしまうと、動き始めもしくは動く前段階を悟られてしまいやすくなります。
足を継いでしまう理由として、素早く動こうという意識から、打突の前に助走をつけてしまうことが考えられます。
本来は、助走をつけて打つのではなく、左足で身体全体を押し出して前に出る必要があります。
不思議ですが、この動き方の方が相手に動き出しが悟られにくいのです。
■左足で身体を押し出す
普段の生活で、左足で身体を押し出すという動作はなかなか無いのではないでしょうか?
例えば、押して開く扉があったとします。
この扉を開けるとき、普通は腕に体重をかけて扉を動かすのではないでしょうか?
しかし、この動き方は腕を使って扉を開けますので、上半身の力で行っているのです。
生まれてしばらくして歩けるようになり、自分で扉を開けれるようになったときには、自然と上半身で物を押すようになっています。
物心ついた頃からの動きですから、何も意識しなくても当然この動きにるのは当然のことです。
そして剣道を始めても、この動き方が身体に染み付いているため、剣道でも出てしまうんですね。
ということは、日常生活でこの「上半身の力を使った動き方」を消せば、剣道でもこの動きは無くせるのではないかと考えました。
そこで考えたのがコレです。
「押して開くドアを開けるときは、左足で腰を押し出し、上半身は垂直を保ったまま開ける」
どうですか、マニアックでしょう(笑)
言葉だけだと不自然に感じるかもしれませんが、別にそんなことはありません。
この動きを意識して行うと、剣道の稽古の時間以外でも、剣道の動きを練習することが出来るため、稽古時間を増やすのと同じことになるのです。
■さらにもうひとつ意識する
剣道では、左足で身体を押し出して打突しますが、打突後はその場にとどまってしまうと技を返されるリスクが非常に高くなります。
特に小手を打った後などは、その場で止まってしまうと小手返し面や小手抜き面で応じられてしまいますね。
こういった状況を回避するために、打突後は素早く相手に身体を寄せる必要があります。
これも実は、押して開く扉でイメージを掴むことができるのです。
左足を押し出して扉を開けますが、今度はその後の動きが重要になります。
それが
「扉を開けて右足が床についた瞬間に、左ひざを前に出して身体に前進力をつける」
です。
これは実際にやってみて体感していただきたいのですが、扉を開けて右足を床につけるところまでで意識をやめてしまうと、どうしても身体が止まってしまい、結局上半身の力で扉を押すことになってしまいます。
ここで、床に右足を着くと同時に左ひざで扉を蹴りに行くようなイメージで進んでください。
身体全体が自然と腰から前に進んでいく感覚になると思います。
(本当に扉を蹴らないように気をつけてくださいね 笑)
この動きを意識するだけで、左足の乗り方から身体の寄せ方までが身についてくるので、非常におすすめです。
■まとめ
いかがでしたでしょうか。
一見剣道とはまったく関係の無い「扉を開ける」という動作だけでも、絶大な効果が生み出せます。
このようにして、日常生活の中から動きを変える工夫をすると、自分の身体の使い方自体が武道的な動きに近づいていきます。
剣道をやっている間だけは武道の動き方でと言っても、正直それは難しいと思います。
武道的な身体の使い方を習得できるように、日常生活から変えていく意識を持っていただけると、それが剣道上達に繋がると思いますので、ぜひ試してみてください。